#368【新聞記者の御巣鷹山】クライマーズハイ 横山秀夫


クライマーズ・ハイ (文春文庫)
文藝春秋
横山 秀夫

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「沈まぬ太陽」に関連して、御巣鷹山を別の角度から描いた物語。

舞台は、御巣鷹山の地元に当たる、群馬の地方の新聞社。

そもそも、この著者は当時、群馬の地方の新聞社の社員として、御巣鷹山の報道に携わったらしい。

だからこそ、描ける話!

Amazonの内容紹介はこの通り。
硬派の警察小説や社会派ミステリーの分野で当代一の横山秀夫が、上毛新聞記者時代に遭遇した御巣鷹山日航機墜落事故取材の体験を、本格長編小説にまとめ上げた。
常に新しい手法を模索し手抜きを知らない著者の、会心の力作だ。
組織と個人の軋轢、追う者と追われる者の駆け引きなどを緻密な筆でつづり、水際立った展開で読み手を引きこむのが横山の持ち味である。
しかし本作では、あえてその筆の巧みさに自ら縛りをかけ、実体験をベースに抑制の効いた渋い群像小説となった。
トリッキーな仕掛けや、えっ、と声が出そうなスリリングな結末、といったものはない。
練りに練ってこれ以上は足し引き不可能な研ぎ澄まされた文章で、未曾有(みぞう)の大事故に決然と立ち向かい、あるいは奔流を前に立ちすくむ人間を描いている。

地方新聞の一筋縄ではゆかない、面妖と言っても過言でない人間関係、ひりひりした緊張感。
おそらく横山自身が体験したのであろう新聞社の内幕はリアルで、読み止めを許さない。
過去に部下の新人がなかば自殺の事故死を遂げた負い目をもつ主人公は40歳の遊軍記者だ。
大惨事の現場にいち早く到着し、人間性のどこかが壊れてしまった26歳の若手記者や、現場雑感の署名記事をつまらぬ社内の覇権争いでつぶされる33歳の中堅記者、「下りるために登るんさ」と謎の言葉を残して植物状態になった登山家の同僚――どの登場人物も、著者の一部であり、また思い通りにゆかない人生を懸命に生きる、すべての人間の一部でもある。

本作は、普通に捉えれば著者の新境地だろう。
しかし、これはむしろ横山が元々、奥深くに抱いていたものではないか。
著者は本書を上梓することで、自身も過去に決着をつけようとしている印象を強く受ける。
やや明る過ぎて物足りない感のある結末も、聖と俗を併せ持つ人間にもっと光を当てたい、救いたいという願いであり、そしてなにより著者自身が本作を支えに新たな一歩を踏み出すためのものだろう。
また、そうであってほしい(坂本成子)



グッときたところ。
①本音
酔わなきゃ本音を言えない人を信じちゃだめだよ。
そういう人は本当の人生を生きていないからね。

→幸か不幸か、私は酒を飲む習慣がないので、酔わなくても本音は言う。


②山
ひょっとしたらこれがこの世で最後の会話になる。
無意識にそう思っているからですよ。
山って、そういう場所ですから。

→山登りはしないので、その気持ちはわからないが、命をかけて登っているらしい。


③クライマーズ・ハイ
生まれてから死ぬまで懸命に走り続ける。
転んでも、傷ついても、たとえ敗北を喫しようとも、また立ち上がり走り続ける。
人の幸せとは、案外そんな道々出会うものではないだろうか。
クライマーズ・ハイ。
一心に上を見上げ、脇目も振らずにただひたすら登り続ける。
そんな一生を送れたらいいと思うようになった。

→マラソンランナーの私は、ランナーズ・ハイはよく味わう。
個人的には、ゴールが一番幸せだが、道々の給水給食所もまた幸せ。


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