#491【変わっている父】サウスバウンド 奥田英朗 角川書店 2005年


サウス・バウンド
角川書店
奥田 英朗

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たまには小説を。

破天荒な父親と子どもの物語。

前半の舞台は東京、後半は親子が引っ越した沖縄。

前半と後半で雰囲気が違い、個人的には後半の沖縄的な雰囲気の方がおもしろかった。

自分も父親であり、登場する父親である上原一郎のような生き方もいいなと思ってしまう。

特に、沖縄の西表島に移住後の、自給自足的な生活での、生き生きとした父親の姿が。

物語については、以下のAmazonの説明の通り。
小学校六年生になった長男の僕の名前は二郎。
父の名前は一郎。
誰が聞いても「変わってる」と言う。
父が会社員だったことはない
。物心ついたときからたいてい家にいる。
父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、ほかの家はそうではないらしいことを知った。
父はどうやら国が嫌いらしい。
むかし、過激派とかいうのをやっていて、税金なんか払わない、無理して学校に行く必要などないとかよく言っている。
家族でどこかの南の島に移住する計画を立てているようなのだが…。
型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた、長編大傑作。



本物語での、特にグッと来た言葉は次の通り。

⑴ 友との別れ
センチになるのは、いつも大人たちだ。
子供には、過去より未来の方が遥かに大きい。
センチになる暇はない。


⑵ 家は生き物
「人が住まねえとすぐに老ける。
住みだすと急に若返る。」
二郎はその言葉に納得した。
放っておかれると、子供だってぐれる。


⑶ 宙ぶらりんなもの
きっと世の中には、この国の自衛隊みたいに、白黒つけない方がいいことだってあるのだ。


⑷ 父親の言葉
「二郎。
世の中にはな、最後まで抵抗することで徐々に変わっていくことがあるんだ。
奴隷制度や公民権運動がそうだ。
平等は心やさしい権力者が与えたものではない。
人民が戦って勝ち得たものだ。
誰かが戦わない限り、社会は変わらない。
おとうさんはその一人だ。
わかるな」


⑸ 西表島の校長の児童への話
すべての大人にはいい部分と悪い部分があります。
あなたたちはそれに振り回されてはいけません。
もしも疑問に感じたり、これはおかしいと思うようなことがあったら、それを忘れないでいてください。
そして、大人になったとき、自分の頭で判断し、正義の側につける人間になってください。


⑹ おかあさんの言葉
おとうさんとおかあさんは、人間としては何ひとつ間違ったことはしていないんだから。
人の物を盗まない、騙さない、嫉妬しない、威張らない、悪に加担しない、そういうの、すべて守ってきたつもり。
唯一常識から外れたことがあるとしたら、それは、世間と合わせなかったってことだけでしょう。



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